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「あるけっちゃの」とは山形県の庄内弁で「そういえばあったね」という意味。「そういえば美味しい店があったね」と人々に思い出してほしいという願いを込めて、庄内のイタリアンレストラン「アル・ケッチァーノ」は命名された。 その店までは安曇野から車を飛ばして5時間強。期待に腹をへこませたところへ出た最初の皿はワラサの刺し身が一切れ。味付けはわずかなオリーブオイルとシェフがこだわる塩だけ。これなら俺にでもできると思いつつ口に。ところがワラサとはこういう味だったのかと深く感じ入る。このあとメインのだだちゃ豆を食べて育った羊まで12品。イタリアン懐石とでも言ったらいいのだろうか。自由自在に食材と調理法を組み合わせて、見事なハーモニーが奏でられていた。 シェフ奥田政行の基本はとことん庄内の素材の味を大切にしていることだ。とくに野菜にはこだわる。個性ある在来野菜を作る農家と協力し、その野菜を絶やさないために美味しい料理を工夫する。その姿勢は魚や肉に対しても同じだ。 食後に、この日のメニューのコンセプトを聞いた。「素材は庄内の沖合いから山に向かって順に使ってコースを組み立てました」。やられた!彼はとことん庄内を愛している。味とともに、料理とは何かを考えさせられ、 「あるけっちゃの」どころか「忘れられない」店になった。(詳しい情報は文藝春秋刊『庄内パラディーゾ』にあります)
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