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セラピーとは薬や手術によらない療法のこと。音楽や美術などを活用したものがアートセラピー(芸術療法)と呼ばれる。最近では俳句療法まであるそうだ。 日野原重明さんは98歳の現役医師として知られるが、アートセラピーの第一人者でもある。先日、聖路加病院を訪ね、話をうかがう機会があった。病院の玄関を入ると、そこは美術館と見まがうほど、壁という壁に絵が飾られていた。 日野原さんは学生時代、結核で長く入院した経験がある。その時、思い出深い出来事やさまざまな気持ちをメロディーにする作曲の喜びを知ったという。自由に感情を表現することが精神にも体にも心地よいということを実感したのだろう。 元来、表現するということは、評価を受けるために行うのではないから上手い下手は関係ない。自分の感じたことを絵でも音楽でも俳句でも表そうとするとき、人は五感をフル活動させる。感覚が活性化するときこそ、人間は生きている喜びを実感し、生命力が強まるのではないだろうか。日野原さんはアートセラピー効果を日々体現しているに違いない。 2500年前、ヒポクラテスの時代は医術もアートだったと日野原さんはいう。精神や肉体を癒すことこそアートの使命だったのだ。現代医学は専門分化し高度に発達した。それはそれで大切なことだが、アートセラピーは医学と芸術の原点を考えさせる。
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