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フランス女性のことではない。仏の心を持った優しい女性のことでもないらしい。仏像ファンの女性を近頃は「仏女」と呼ぶそうだ。 東京国立博物館と九州国立博物館で開催された「阿修羅展」はそれぞれ95万人と71万人が訪れた。この数字は東博で開催された日本美術の展覧会の記録だそうだ。九博はもちろん最高記録。無数の仏女が阿修羅を担いでいる光景が瞼に浮かぶ。 古代インドで戦いに明け暮れた悪神、阿修羅は仏教では八部衆の一人として仏法の守護神になった。仏女は阿修羅のどこに惹かれたのだろう。やはり、戦う「イケメン」だからか。戦国武将ファンの「歴女」とも共通するものが見えてくる。 しかし、仏女が惹かれるのは男神ばかりではない。性別を超越した如来や菩薩にも心を寄せる。おそらく、現世を離れて、遠い時代に心を遊ばせる楽しさが仏女、歴女を生んだのだろう。 かくいう小生もその意味では仏男を決め込んでいる。昨年出した拙著『失われた弥勒の手』の主題である松川村観松院の弥勒像を中心にした調査が、今年、科研費(日本学術会議科学研究費補助金)対象に選ばれた。阪大や韓国中央博物館グループによる大規模な調査が3年間にわたって日本、韓国、中国で行われる。 松本、安曇野地域の新たな歴史が見えてくるかもしれない。長野にも仏女、仏男が増えるとうれしい。
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