松本猛(たけし) 公式サイト / 「寂聴さん」 2009.6.30信濃毎日新聞「松本平タウン情報」展望台(エッセイコラム)に掲載

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「寂聴さん」 2009.6.30信濃毎日新聞「松本平タウン情報」展望台(エッセイコラム)に掲載

更新日:2010.01.16

京都は嵯峨嵐山駅からタクシーで五分。山が間近に迫る嵯峨野の小道を入る。木立に囲まれた昔ながらの佇まい門の前に降り立つ。「寂庵」。瀬戸内寂聴さんの庵である。門をくぐると苔むした庭に少し色づいた紫陽花が迎えてくれた。 はじけるような笑顔の寂長さんが濃い紫の法衣を纏って現れる。87歳には到底見えない。昨年はケータイ小説を発表。世間の度肝を抜いた。一昨年に出版した『秘花』は世阿弥の生涯に真っ向から取り組んだ力作。その濃密で豊穣な文体は老境の仕事とは思えない。平和のための活動や、死刑囚との接触などさまざまな社会活動を展開しながら、作家活動を続ける寂聴さんのエネルギーの源はどこにあるのだろう。 寂聴さんはニコニコしながら話を引き出し、自在に語る。大笑いしながら瞬く間に時が過ぎる。「私は迷ったら危険なほうを選んできたの」「出家するのは自殺するのと同じくらいエネルギーがいります。執着するものがあるとできない」 神護寺の薬師如来が好きだという。堂々とした体躯で腿などはちきれんばかりの鍛えられた肉体を持った仏像だ。 寂長さんは自著の中で若さの秘訣についてこう書いた。若い人と付き合うのは“常識”とした後で「むしろ、すぐれた老人とつきあうことのほうが、発奮させられ、元気付けられ、若くなって、老いこまない秘訣ではないでしょうか」 寂聴さんに惚れた。

松本猛

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