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日本の年の瀬が普天間飛行場の移設問題でゆれている。 ぼくの子どものころ、沖縄はアメリカだった。車は右側を走り、通貨はドルだった。戦争中、日本で唯一の地上戦が行われた沖縄は戦争終結時にそのまま「占領」された。住民は有無を言わさず土地を奪われ、巨大な基地が出来た。その大きさは今でも県全体の10%以上。 沖縄が「返還」されたのは1972年。ところが基地機能を低下させない条件だったため、大半の基地はそのまま残された。現在も沖縄の空の管制権はアメリカ軍が握っている。軍の特権が保証される地位協定や基地に対する思いやり予算は、どう考えても対等平等な国家間の関係ではない。この理由は日本がアメリカにものを言うことができない敗戦国のままだからだ。 米ソ冷戦時代の世界構造が変化し、アジアの経済力が飛躍的に増した現在は、極東軍事戦略そのものを考え直す時期に来ている。戦後体制の枠組みの中でアメリカの顔色を見ながら権力を握った自民党が破れ、アメリカも力の論理を振りかざしたブッシュ政権が倒れた今こそ、抜本的に基地問題を見直すチャンスだろう。 日米の官僚は過去の枠組みを踏襲する発想から抜け出せないから無難な解決策を模索する。鳩山首相はアメリカの圧力に屈せず、時間がかかろうと、時代の変化に対応したスケールの大きな主張を堂々としてもらいたいものだ。
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