カテゴリ: つれづれ日記
安曇野ちひろ美術館がある北安曇郡松川村の中学3年C組が「沖縄新聞」を発行した。
内容も体裁も見事なもので、ぼくは思わず引き込まれて熟読してしまった。何がすごいのかというと、取材力だ。一面トップは普天間中学3年4組生徒へのアンケートをもとに記事が書かれている。
「他県の中学生は沖縄の基地問題に対して関心があると思うか」という問いに対して、35人中29人、82.9%の人が「ないと思う」という回答だった。さらに、沖縄新聞の記者は、長野県内の中学にもアンケート調査を行い、大半が基地問題についてあまり知らないという回答を得ている。中学生という自分たちのたちの視点で調査をしていることが、記事を魅力的なものにしている。
県内の沖縄出身者への取材やさまざまな調査を行い、沖縄の歴史を掘り下げ、基地の問題点を自分たちの考えで整理している。12ページの記事はどれもが興味深く、違う生徒たちが執筆を担当している。おそらく事前の編集会議がしっかりと行われたうえで、役割分担が決まったのだろう。
社説ならぬ級説では、「守るための基地が、攻撃の対象になるということも、考えていくべきです。」と記し、「沖縄県民の今までの苦しみを知った上で、もう一度、沖縄に基地が必要かを考え直すべきだと思います。」と結ぶ。菅首相にも読んでもらいたい新聞だ。
この「沖縄新聞」の興味深い点は、授業で沖縄を学ぶのではなく、新聞を発行するという目的を持ったために、中学生たちが自力で取材をし、調査をしていることだ。中学生の能力にも驚かされたが、指導方法一つで、中学生の可能性が大きく広がることを感じさせられた。こういう教育こそが今の時代には必要なのだろう。
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