カテゴリ: つれづれ日記
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2012年もあっという間に10日が過ぎました。去年一年もまたたく間に過ぎていったというのが実感です。何か、毎年、毎年時間が過ぎるのが早くなっているように感じるのですが、これは、今まで生きてきた時間よりも、残りの時間が少なくなってきているからなのでしょうか。
今年も、よろしくお願いします。
正月8日にに、BSフジで絵本作家の村上康成さんの番組がありました。彼と年末に酒を酌み交わしたときに「見てくれ」といわれていた番組でした。村上さんがしばしば通う、沖縄の石垣島の自然を、彼がどう受けとめているかを追った番組でした。珊瑚礁の海にもぐり、数ミリの大きさしかないウミウシの宝石のような美しさに感動し、巨大なエイ、マンタのゆったりとした動きに心を動かし、マングローブの生える岸辺を見つめ、川では魚の姿に心を寄せます。
彼が番組の最後に描いた絵は、わずか数ミリのウミウシ絵でした。その体には石垣島のさまざまな自然が美しくちりばめられて描きこまれていました。小さな生き物が、生きていくためにも、石垣島全体の自然が大切なのだ、と絵が語っているようにぼくには感じられました。そこには一人の画家が見る自然がありました。
番組の中で、彼は「石のきもち」という絵本の話しもしました。自分は今まで動くものを主人公に絵本を描いてきた。でも、ずっと動かない石を主人公にしてみたというのです。はるか太古の昔から、石の上を数限りないものが通りすぎてゆきました。石はそれを見ているのです。
我が家の近くの石を眺めてみると、石にもそれぞれに個性があり表情があることに気がつきました。村上康成さんの話を聞かなければ、石をこんな風に身近に感じなかったかもしれません。
石の気持ちになるということは、ひょっとすると宇宙から地球を見ることと似ているのかもしれないと思います。あるいは気が遠くなるような歴史の長い流れのなかから、今という時代を見るようにも感じます。
現代という時代を見るには、石の気持ちになってみるのも大切かもしれません。何が大切なのか、おおきな視点を持って、今年を生きてみようと思います。
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