カテゴリ: つれづれ日記
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雨の秋分の日。突然のように涼しくなった。傘をさして長靴を履き、ウインドブレーカーを羽織って散歩に出かける。
刈り入れの終わった田んぼに水が溜まっている。あぜ道でツユクサを見つけた。しゃがみこんで、ひょうきんな顔に挨拶をする。雨にぬれたツユクサのほうが晴れの日より青も鮮やかになるし、表情もいい。川原に出るところで、ノコンギクの薄紫の花があった。横には終わりに近づいた萩が雨にぬれていた。
川の水は、昨夜からの雨でにごり、増水していた。こんなとき、砂礫は水に運ばれてゆく。遠くに砂防ダムが見える。
どこの小さな川でも、川を歩いていくと砂防ダムを見かける。もともと砂防ダムは土砂災害を防ぐために造られるようになったのだが、災害など起こらない小さな河川にも次々と造られ、自然景観や生態系を破壊することにもつながった。一つ造ると、次々と上流にも造らざるを得なくなる。建設業者にとっては都合のいい公共工事だった。
近年、砂防ダムの問題点を指摘する人が増えている。自然の川の流れに対して、人工のコンクリートの壁を造ることで、一時しのぎをするという発想自体を代えていかなければならない。10年ほど前の河川法改正も、遅まきながら、この問題に気づいて行われた。森林整備や、山の乱開発を見直すことこそ大切だ。自然とともに生きるという思想がもっと広がってほしい。
川原ではまだオオマツヨイグサが少しばかり黄色い花をつぼませて立っていた。今夜も花を開かせるのだろうか。林を抜けて我が家へ向かう。大きなクモの巣の中ほどで、おなかの大きくなったジョロウグモが捕らえたアブを逆さまになって食べていた。よく見ると、体の模様がなかなか美しい。いずれ、たくさんのクモの子を産むのだろう。
落ち葉が敷き詰められたフカフカの林の中では、明日あたりからキノコが出始めるかもしれない。暑い夏は終わった。
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