カテゴリ: つれづれ日記
魅力的な子どもの教育に取り組んでいる青木村の児童センターを訪ねた。青木村は人口5000人弱。上田市の西にある村だ。
小学校の児童数は250人ほど。学校の横にある児童センターに授業が終わると子どもたちが集まってくる。子どもたちは「ただいま」といってセンターに入る。スタッフは「おかえり」と迎える。ここは、子どもたちにとって遊びの拠点だから、学校の生活と切り替える意味もあるのだろう。指導員のことも子どもたちは「先生」とは呼ばずニックネームで呼ぶ。
このセンターのすごいところは、とことん戸外で遊ばせることだ。暖かい季節は川遊びが人気で、寒くなると焚き火がはやる。銀杏やサツマイモを焚き火で焼いて食べる。
「あぶない」「きたない」「うるさい」といわれ続けながら育つことが多い現代の子どもたちの中で、ここは別世界だ。泥まみれになって遊び、すり傷は当たり前の一昔前の子ども社会が息づいている。異年齢の子どもたちがいっしょになって遊び、良いことも悪いことも上級生から下級生に遊びながら伝えられていく。当初は保護者から「危険なことはさせないでください」というクレームもあったそうだが、子どもたちの喜びに満ちた顔や、たくましく成長していく姿を見て、児童センターの方針に信頼を寄せてくれるようになったという。
村内の大人が子どもたちにさまざまなことを教える「水曜クラブ」があるのも魅力的だ。90歳のおじいちゃんが子どもたちに囲まれながら折り紙を教えていた。おばあちゃんたちが教える茶道クラブは人気がないだろうと思ってのぞいてみると、かしこまって正座をしている子どもたちがたくさんいて驚いた。聞いてみると、お菓子が狙いらしい。ゲートボールクラブも人気があった。
青木村では、子どもたちを核に地域コミュニティーの再生が行われている。教育とは何か、地域とは何かを考えさせられた。
今年、さまざまなところを訪ねて見えてきた信州の魅力と課題を一冊の本にまとめようと思って目下執筆中だ。教育もその中の重要なテーマの一つである。
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