松本猛(たけし)のブログ「つれづれ日記」。日々の感じたことや考えたことなど、つれづれなるままに綴っていきます。
27日、松本市のホテルブエナビスタに近い旧林友ビルに後援会の事務所(℡0263-35-2267 E-mail takefuwari@gmail.com)を開いた。100人もの人が駆けつけてくださり、室内に入れない人もいたほどだった。
事務所開きに先立って、ご近所に挨拶をしたとき、あなたが岩崎文江さんのお孫さん、大きくなられたわね、といわれびっくりした。祖母の岩崎文江は松本蟻ヶ崎高校の同窓会長を17年も務めていた。祖母と歩いていると祖母が会う人ごとに挨拶をしていたことを思い出した。
会場には母いわさきちひろや祖母文江の知り合いの方も多数おいでいただき、懐かしいお顔を拝見できてうれしかった。
松本市の城山公園には、ちひろの絵をあしらった子どもの椅子の記念碑があり、近くの霊園には祖母や母がねむっている。ぼくの原風景の一つは子どものころから親しんでいた城山からの景色だ。
SBCの夕方のニュースに生出演した。
SBCは7年間番組審議委員を務め、ちひろ美術館や東山魁夷の番組など、さまざまな番組にも出演してきたので、なじみのあるテレビ局だったが、候補者として出演するとは思ってもいなかった。
8分というのはやはり短かった。観光振興など語りたいことがたくさんあったが、十分に伝えることができないもどかしさが残った。短い言葉で適切に思いを伝えられるようにならねばならないと思う。
たとえば「長野県の自然景観は日本一、温泉も、美術館・博物館数も、日本のトップクラス、これを結びつけた観光政策を作りたい」と言う感じだろうか。しかし、大切なのは中身。近々発表する政策では踏み込んだ提案をする予定なので、関心のある方は見ていただけるとうれしい。
原村で林業の若者たちと会った。中心になっている人はⅠターンで来た人。間伐の仕方一つで山の表情が違ってしまうことや、木が傷ついてしまうことを教えてもらう。伐採から流通、商品化までを一括してやることによりいろいろな可能性が開ける。農業の生産・流通・商品化を進める農業法人化とも相通じる側面がある。里山の再生は地域の人々の願いでもあるから、財産区(昔の入会地)の手入れがきわめて重要だ。生活がきちんと成り立つ林業をサポートするシステムを考えねばならないと切に思う。
飯田市の天竜峡に近いペレット工場を視察した。ペレットは間伐材などの木材をオガ粉にして固めた燃料。二酸化炭素を発生させないバイオマス燃料として世界的に注目されている。石油などの化石燃料はいずれ枯渇するが、木材はリサイクル可能燃料だ。
スウェーデンやオーストリアなどヨーロッパではかなり普及し、カナダではペレットの輸出もしている。森林面積80%の長野県では新しいエネルギーとしてペレットの普及に取り組む必要がある。ストーブなどの燃焼機器や原料供給システムなど課題もあるが、県が今まで以上に力を注いで普及に努めれば道は開けるだろう。
安曇野ちひろ公園で、池田町の小学六年生に安曇族の歴史を話した。ぼくが友人と4年かけて調査をして書いた小説『失われた弥勒の手 安曇野伝説』(講談社)のテーマが6~7世紀ころに、なぜ玄界灘で活躍していた安曇族が安曇野へやってきたのかだった。
子どもたちに、信濃の国に安曇郡ができたのが7世紀だったという話や、安曇族が持ってきた仏像や古墳の話をするのは楽しい。彼らは自分の住んでいる土地にどんな歴史があったのかを知ることによってこそ、地域への誇りや愛着がわくと思う。
子どもたちの生き生きとした瞳が好きだ。
しかし、平成20年度の調査によれば、長野県は小学生の登校拒否児童の比率がが全国で一番高い。本気で、地域と一緒になって子どもを育てる教育を進めなければならないと思う。
薬害エイズ問題でがんばっていた川田龍平くんに久しぶりに会った。
彼とは国会議員になる前から知り合いだった。まっすぐで純粋な人柄が好きだ。龍平くんが個人として松本さんを応援しています、といってくれたのはうれしかった。
政党に担がれたわけではなく市民の支援で当選した人の言葉には心がこもっていた。
「2人に1人が自分は人並みの能力はないと言い
3人に1人が孤独を感じると言う。
5人に3人が自分はダメな人間だと思っていて
5人に4人がなんだか疲れている。
そして、5人に3人が自分が参加しても社会は変わらないと言う。
これが世界第2位を誇る経済大国日本の明日を担う高校生たちの現状です」
これは高校生を考えるNPOカタリバのあいさつ文の冒頭の言葉。
16日、渋谷で開かれたカタリバ大学の集まりに顔を出し、その後、学長の寺脇研さんと話をした。彼は鳩山政権の「新しい公共円卓会議」の委員であり、文科省副大臣の鈴木寛氏とともに『コンクリートから子どもたちへ』(講談社)という本を出した人だ。この本、いろいろと大切なことが書いてある。文科省時代、ゆとり教育の提唱者として知られた人でもある。
人間関係を作れなくなっている子どもが多い中で、地域が子どもを育てる必要があるという点で意見は一致し、そのためにはどうしたらいいか話し合った。長野で対談をやりませんか?と聞いたらOKの返事をもらった。実現したい。
「5人に3人が自分が参加しても社会は変わらないと言う」このデータは悲しいことだけれど、現実なのだろう。だからこそ、子どもの教育を真剣に考えなければならない。アメリカでオバマ大統領が当選し、イギリスで2大政党制の枠組みが崩れ、日本で自民党政権が崩壊したいま、一人ひとりが社会に関心を持てば、世の中が変わる可能性が十分ある。長野県も大きな変化の時期を迎えているのだと思う。
今日は午後7時から小布施の西永寺で市民の方たちと語り合う会をもちます。参加自由なので興味のある方はお越しください。(Actvityページに詳細があります)
14日から安曇野ちひろ美術館で新しい展示が始まった。ちひろ展は「野の花のささやき」。世界の絵本館は「2000年代の日本の絵本展」。これは10年ごとに日本の絵本をふり返り、エポックになった絵本をピックアップする展覧会。どちらも、見ごたえ十分だが、それに加えて、今回は松本市を中心に行われている「工芸の5月」に連動して、多目的展示室で「子どもの椅子展」を開催している。
10人の木工作家が、個性とオリジナリティーにあふれた「子どもの椅子」を出品した。椅子は、眺めるだけではなく座ることもできる。初日は団体で来館した子どもたちが、一つ一つの椅子に座って楽しんでいった。それはそれで楽しい光景に違いないが、実を言うと、子どもがいない空間でこの椅子を眺めると、椅子に子どもたちが座っているイメージがわきあがり、しみじみとうれしくなる。
木工作家たちは、それぞれにいろいろな子どもをイメージしながら椅子を作ったに違いない。並べられた椅子には彼らのイメージした子どもたちが座っているのだ。
一脚ずつ違った木材で作られた椅子、背面に動物をかたどった椅子、小さな三角形の座面のおにぎり椅子、七つの椅子の座面が一枚板を使って作られていて木目がつながる椅子・・・。作家たちが、楽しみながら作ったに違いない作品には夢が詰まっている。木と椅子がますます好きになった。
我が家の前にある田んぼに水が入った。この2,3年休耕田になっていたので、水が入り始めたのを知ったとき思わず歓声を上げた。田の水に北アルプスが映りこむこの時期がぼくは大好きだ。大地にも空が広がったようで世界が明るくなる。
しかし、安曇野でも農業後継者はどんどん減っている。長野県では過疎化や高齢化によって耕作放棄地が15000ヘクタールに及んでいるそうだ。全国で2番目だという。この問題の解決には、本質的には国の農業政策を変えなければならないけれど、農業生産法人などをつくり競争力を高める取り組みもある。IターンやUターンの若者たちを支援する必要もあるだろう。たくさんの人の意見を聞いて農業を守るために知恵をしぼらなければならないと思う。
安曇野は里山の自然と北アルプスの自然が融合して初めて安曇野の景観が成り立っている。この美しい景観をいつまでも残したい。
7日、田中前知事が中止し、村井現知事がそれを覆して推し進めた淺川ダムが作られる淺川を見てきた。案内をしてくれたのはダムに反対する住民団体の代表である内山卓郎さん。朝9時から12時ころまで、上流から千曲川合流地点まで、3時間の説明を受けた。
現地に着いたとき、テレビ各局はもとより、数十人のマスコミの人たちが待っていて、このダム問題が県民にとって大きな関心事であることを感じた。
淺川の第一印象は、こんなに小さな川なのか、というものだった。建設現場は地すべりが集中的に起こっている地帯で、本体工事に匹敵するくらいの40億円が、地すべり対策に当てられるという事実にあらためて問題を感じた。
オリンピックのために、ダム予算を使い、ダム建設地が決まらないのに200億円も使って道路を作ったということには驚かされた。
千曲川との合流地付近では、千曲川の増水時に淺川の水が流れ込めなくなって起こる「内水氾濫」に対しては、このダムは何の役にも立たないどころか、逆効果の可能性もあるとの説明を聞いた。「内水氾濫」に役に立たないことは県も村井知事も認めているのに、ダムを作ることによって、効果があると住民に説明してきたとすれば、これは問題だと感じた。新幹線を作るときの用地確保のためにダムを作るという約束をしたことが問題の根底にあるのだろう。
視察を終えての印象は、先に「道路を作ってしまった」「新幹線のためにダムを作る約束をしてしまった」ということが不必要なダムを無理して作ることになったのではないかと、感じた。
しかし、今回聞いたのはダムに反対する人の意見だ。賛成派の方の意見も真摯に聞いたうえで、ぼく自身の考えを整理するつもりだ。
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