松本猛(たけし)のブログ「つれづれ日記」。日々の感じたことや考えたことなど、つれづれなるままに綴っていきます。
県内外を問わず、子どもの本の関係者の方から励ましをたくさん受ける。
絵本というのは大人と子どもをつなぐ場だ。テレビもゲームもそこには人間との会話がない。子どもたちが「これ読んで」と本を持ってくること自体がコミュニケーションをつくる作業になる。
絵本の中には、大人をも感動させる深い内容が含まれているものも多い。ぼくは、大人ももっと絵本を読んでほしいと思う。
絵本の内容ももちろん大切だが、本を読むという行為が日常生活の中に組み込まれていくことが重要だ。会話をし、文字や絵を読むことにより、想像力が広がり、感性が豊かになる。
楽天が公用語を英語にしたというニュースが流れた。国際展開をする会社にとって、それはひとつの選択肢だろう。しかし、どんなに英語がうまくても、語れる中身がない人間ではどうしようもない。
数学者の藤原正彦氏も言っているが、思考力の根幹は国語力を鍛えることによってこそ育つ。
幼児のときから、本に親しむことは、人間の成長にとって欠かせないことだ。子どもの本の読書運動をいろいろな立場の人と協力して進めて生きたい。
?
蓼科方面でカラマツストーブの製作や普及に取り組んでいる人々にあった。カラマツは脂が多く燃やすと煙が多く高温になるために普通の薪ストーブには適さないといわれていた。ところが、この薪ストーブはその問題をクリアし、どんな薪でも対応し、灰も少なくきわめて暖かいという。実際に使っている旅館の人の話もきいたが、なかなか快適で、石油のファンヒーターはもう使っていないという。
すごいのは、長野県中にある間伐を必要としているカラマツ利用から、このストーブを発想したということだ。間伐が必要でも、間伐した材が役に立たなければ、間伐は進まない。
現在県内では、何十年も放置され、もやしのような林になっているカラマツ林が非常に多い。これが、大雨や台風のときに倒れたりして被害を大きくする。治水のためにも間伐は急がなければならないが、なかなか収入につながらないこともあって間伐する人が少ない。
材木として使えないような間伐材でも、このストーブにとっては価値がある。地域のカラマツ材を使えば運搬費もほとんどかからず、やらねばならない間伐も進むという考え方だ。
自然保護、環境保全と、住民の生活の利便性と、産業を結びつけるこうした取り組みは大切だ。
昨夜は長野市で「子どもたちの未来を考える会」主催の意見交換会を、あべ守一さんと行った。
不登校の問題、高校再編問題など6時から9時過ぎまで冷房のきかない部屋で超熱い(暑い)論議。
不登校の問題は不登校児の数字を下げればいいという問題ではなく、一人ひとりの子どもの立場に立った問題解決が大切だと思う。そのためには、図書館も美術館や博物館も、フリースクールも塾も、あらゆる場所で子どもの居場所作りに取り組む必要がある。地域が子どもを育てるというシステムを確立しなければならない。
高校再編の問題も、少子化の中で難しい課題だが、単純に数字だけで切り捨てるのではなく、学校へ通えない子どもが出ることや、過疎化の問題とも考え合わせて、総合的な判断をしなければならないだろう。
それは発達障害の子どもが増加して大きな問題になっている特別支援教育についても言える。すべての子どもが等しく教育を受ける権利を持っているという原則を踏まえて、教員の増員についても検討する必要がある。
中高一貫学校をつくることなどの課題と、上記のような問題を慎重に検討し、どこに予算をつぎ込むかを考えなければならないはずだ。
我が家の近くのそば畑が満開だ。
一面の白い花が風に揺れるさまはなんともいえない。そば好きのぼくとしては、新そばのへ思いをはせるが、花もまた可憐で美しい。
そばは、人によって好みが違う。打つ人の個性で太さも、硬さも、香りも違う。そば食いの楽しさは、その個性を味わうことでもある。もちろん、ひいきのお蕎麦屋さんの味は我が家に帰ったような安心感がある。
この楽しさを、もっと都会の人たちにも味わってもらいたい。県内各地に地域の名を冠した蕎麦街道をつくってアピールできないだろうか。
時間ができたら、そば打ちに挑戦したいのだが・・・。
?
朝早く、マレットゴルフの会場へ。50人以上の人々がクラブを持って集まってきた。皆さん元気いっぱい。必ず男性と女性が混ざるように組み合わせをして、楽しそうだった。
長野県は、老人医療費の低さは日本一。今日お会いした人々のように、楽しみながら健康管理をしておられる方が多いからだろう。しかし、お元気な方たちでも、医療福祉の問題には関心が高い。医師不足は深刻な問題だ。介護をする人々のためにもショートステイをはじめとした福祉の充実を進めなければならない。
がんばってね、と手を握ってくださった方たちの思いが胸に迫った。
?
FM軽井沢で絵本や母、いわさきちひろについて、キャスターの宮尾さんとせせらぎ文庫の主催者で古くからの友人でもある小林悠紀子さんと一時間ほど話しをした。
絵本は「場」である、というのがぼくの持論だ。親や大人と子どもをつなぐ場。絵本はもちろん一人で読む楽しさもあるが、読んでもらう楽しさは格別だ。子どもが絵本を持って、「読んで、読んで」とせがむのは一緒に時を過ごす喜びを知っているからだ。
テレビやゲームでは味わえない人と人のふれあいがそこにはある。今の子どもたちの問題点のひとつは人間関係を作れない子が多いことだ。絵本の読書運動を大きく広げることは、現在の子どもの問題を解決するするひとつの方策に違いない。
文学への入り口でもあり、美術の入り口でもある絵本は、想像力や感性を高める。実は大人が読んでも面白い絵本がたくさんある。
野山で遊びまわる喜びと、絵本の楽しみを知る子どもが増えれば未来は確実に明るくなると思う。
?
?
明科にある野外保育を実践している「くじら雲」を訪ねた。細く急な山道を2~3キロほど登ったところに「くじら雲」はあった。
20人ほどの子どもたちは外を走り回り、のこぎりで木を切り、パン生地をこね、絵を描いて思い思いに遊んでいた。
大きな桑の木には手作りのブランコが下がっている。子どもたちはその木に登っていた。子どもの頃、木登りをし、穴を掘り、泥だらけになり、擦り傷だらけになって遊んでいた日々を思い出した。
この園の目標の中には「自然に対する畏敬の念を持つ」という言葉や「人と人がつながる喜びを感じる」という言葉がある。
子どもたちが山道を歩いていて、死んでいるヘビを見つけたときの話を先生がしてくれた。子どもたちはどうして死んだのだろう、と話し合いが始まり、最後は、車につぶされるといけないからと、道の脇にそっと寄せたという。
自然の中にはたくさんの生と死がある。都市生活の中では実感としてそれを感じることが少ない。野外保育の子どもたちは、変化にとんだ自然を体験しながら、友人関係や先生たちとの関係を築いていく。この子たちは、この生活の中で大切なものを身につけていくだろう。
しかし、こういう保育を実践している無認可保育園の経営は厳しい。かつては県から補助金があったそうだが、今はなくなった。
?
?
?
昨日は安曇野で農協の方のお話を聞いた後、長野のテレビ信州へ。26日朝9時半からの番組の収録だった。考えていることを的確に短い言葉で話すということは、なかなか難しい。高校の一年先輩で同じ部室にいたジャーナリストの池上彰さんはさすがにうまいと思う。昨年末、一緒に食事をしたとき、わかりやすく話すためのヒントはもらったのだが、本番になると思うようにいかない。
今日は、東京。やはりテレビで活躍していて、推薦人になってもらっている軽井沢在住のコラムニスト勝谷誠彦さんに会った。彼もまた頭の回転が速い。世の中にはすごい人がたくさんいる。
夜は、信州に関係の深い経済人や文化人の集まりにうかがった。村井知事にも久しぶりにお目にかかりご挨拶をさせていただいた。いろいろな方にお会いし、あらためて信州を愛する人々のすばらしさを再認識した。
昨日は飯田・下伊那地方をめぐった。84歳の現役医師は、草野球の現役ピッチャーでもあり、熱狂的な阪神ファンだった。大学で体育会野球部でプレーをし、40過ぎまで草野球のチームで時々プレーをしていたぼくとしては、あこがれる存在だった。
飯田は水引の産地。さまざまなものをかたどった見事な作品もたくさんある。しかし、最近では中国で生産するものも多いそうだ。手作り工芸品もコスト追求の波は押し寄せている。国内で技術を継承していくことは難しくなって行くのだろうか。
飯田は人形劇フェスティバルで有名だ。中学生や高校生も参加しているという。町の文化的伝統を継承する子どもたちがいることはうれしい。
阿智村の昼神温泉も訪ねた。「もって楽しむ・使って得する!! 物味湯産(ものみゆさん)手形」を1000円で売っている。なかなか読み応えのあるパンフレットにいろいろな特典がつき、10の温泉施設を1年間の期間以内なら一回ずつ利用できる。一回100円の計算になる。このアイディアは昼神温泉だけでなく、県内全域でも展開可能なのではないだろうか。美術館や博物館にも応用できる。実際、東京では「ぐるっとパス」という名で同じ試みがなされ、評判を呼んでいる。長野でも可能なはずだ。
ここに、101歳になる写真家で童画家でもある熊谷元一さんの記念館がある。思わず飛び込んで、懐かしい世界に浸った。母、いわさきちひろの知り合いでもあり、母より9歳年上だ。お元気なうちにどこかの美術館できちんとした展覧会をやりたいという思いが胸をよぎった。
ケータイでもご覧いただけます。
左のQRコードを読み込んでください。うまく読み込めない場合は下のURLを直接入力してご覧ください。
Copyright© Matsumoto Takeshi. All rights reserved.