りんご畑の12か月
(松本 猛)
1,400円(税別)
《講談社》
舞台は北アルプスの麓、安曇野のりんご農場です。主人公は子どもたちが丸かじりできるりんごを作りたいと、除草剤を使わず、低農薬でがんばっている青年です。絵本の構成は、主人公が愛する甥っ子にりんご作りの大変さや喜びを手紙で語るスタイルをとりました。
モデルは安曇野のおぐらやま農場の松村暁生さんという人です。画家の中武ひでみつさんは実際に、おぐらやま農場で働いている人です。大変さも、喜びもすべて知っています。だからこそ、実感のこもった作品を描くことができました。この絵本には中武さんのりんごへの愛が込められています。
戦後の農薬漬けの農業は、労働を軽減して大量生産を実現しましたが、そこで失ったものはたくさんあります。原発事故以降、自然とともに生きたいと考える人はどんどん増えています。大量生産、大量消費の社会で得た豊かさは、人間の本来あるべき姿とは大きく異なっているのではないでしょうか。この絵本は、自然とともに生きることの素晴らしさをテーマにしたものです。
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